リバースモーゲージ(死亡時精算方式の住宅担保ローン)

 老後の生活資金をどうするのかは生活設計上の大きな問題である。せっかく長生きできたのに,日々の生活費に事欠くのでは喜びも半減である。

 財産と呼べるものは自宅しかない。そうした人が住む場所を失わないで老後の生活資金を捻出する方法として考えられたのがリバースモーゲージといわれる仕組みである。具体的には,自宅を担保にお金を借りる。借りたお金を生活資金に充てる。本人が亡くなるまでは,返済はするとしても利息のみ、あるいは利息の返済も含めて生存中は返済は一切ない。本人が亡くなった時点で不動産を処分するなどして借金を清算する仕組みである。

 歴史は古く,昭和56年に武蔵野市が最初に市民のために採用した仕組みである。自治体による貸付けとして採用するところもでた。生活保護とすれば市町村の持ち出しであるが,リバースモーゲージとすれば,最終的に出費したものが戻ってくる。金融機関による商品化も行われた。  

 その後,リバースモーゲージについてあまり話題にならなかった。一戸建てのみが対象で,マンションは対象とならない。担保割れば発生などのために販売中止,取扱い中止になるなどして,普及は限定的なまま推移していた。

 日本経済新聞の記事によれば「高齢化を背景に取り扱う金融機関も増えて」きているという。自宅を担保に老後資金を手に入れることができるという長所はある。そこで,担保評価額の一定割合までが融資限度額となっているので,融資限度額一杯ではなく余裕を持って借り入れを行う。金利は変動金利のものが多いので利息の支払いが毎年発生するタイプのものでは特に支払の余裕が持てる借入金額にするといったことに注意を十分払って利用することが重要である。

 結局,仕組みはともあれ借金であるから,借金をするときの心構えが必要ということになる。もし利用を検討するのであれば,商品の内容を十分研究したうえでの活用をお勧めする。

 

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