サービス付き高齢者向け住宅

 今後急増するであろう高齢者世帯に対する賃貸住宅の提供が十分ではない。高齢者がなるべく自立した生活を送れるような高齢者用賃貸住宅の供給が進んでいない。そこで,高齢者住まい法が改正されて,高齢者向け住宅の充実を図るための施策の一環として「サービス付き高齢者向け住宅」の登録制度が昨年の10月からスタートした。

 「サービス付き」とは少なくとも日中常駐のスタッフにより安全確認,生活相談のサービスが提供されることをいう。その住宅に入居したからといって介護を受けられるわけではない。介護を受けるためには自宅にいて介護を受けるときのように介護事業を行う者と契約を別に結ぶ必要がある。

 現在提供されている「サービス付き高齢者向け住宅」は同一建物内に介護を提供する施設を開設している。この施設は住宅の賃貸事業者とは別の介護事業者が運営する施設であるが,外見上は介護施設が付帯した高齢者住宅と勘違いをしかねない。  

 住宅を借り,介護を受ける場合は家賃は賃貸業者に支払うとともに,介護費用については介護事業者に支払うことになる。こうした仕組みであるから介護事業者の運営がたち行かなくなり廃業となった時には,住居から離れた他の介護事業所を利用せざるをえなくなることも考えられる。また,介護度が上がった場合にそこに住み続けられるかなどの問題点もある。

 「サービス付き高齢者向け住宅」とは仕組みが全く別な高齢者用の施設として,特別養護老人ホーム,介護付き有料老人ホームがある。こちらは,介護付きの住居であるので入居にともない介護が提供される。

 高齢者の住まいについては制度が入り組んでおり,入居にあたっては注意が必要である。十分説明を聞いたうえで決めることをお勧めする。

 登録された事業者には新築時の費用補助,税制優遇,融資支援が行われることなどから,「

サービス付き高齢者向け住宅」の料金が下がってきているという。日経新聞2012年1月日の記事によると「地方都市では食費も合わせて付き10万円を切る例も出てきた」という。それに要介護度2程度とすれば介護費用を支払っても月12万円ほどの負担で済む。

 「サービス付き高齢者向け住宅」だけでは高齢者の支援は円滑には行かない。そこには,昨日説明した24時間対応の訪問看護・介護「定期巡回随時対応サービス」との連携が必要である。

 高齢者の個性に応じた生活を確保するためには住居,介護サービスは当然である。さらに,信頼できる者による見守り,生活援助を得るためには見守り契約,任意後見契約の検討する必要もあろう。

 

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