今月の８日（平成２４年４月８日）に 「改正介護保険の新サービスの定期巡回･随時対応サービスはいつから利用可能か」と題した記事を書きました。
その中で，定期巡回･随時対応サービスの提供について「なにかスタートから暗雲が漂い，絵に描いた餅の雰囲気が感じられる」と書きましたが，残念ながら書いたとおりの展開になりそうです。
平成２４年３月２９日の山梨日日新聞に「２４時間巡回 甲府以外は受けられず」という見出しのもとに「サービス格差」が生じると報じています。
来年度定期巡回･随時対応サービスが提供できる市は甲府市だけで，ほかの２６市町村は受けられない見通しです。
山梨県は，人口密度が低い山間部の地域を多く抱えています。
こうした地域で定期巡回･随時対応サービスの提供を行おうとすれば，市街地にある介護事業者の拠点から長時間かけて現地に行く必要があります。さらに現地ではサービス利用者である高齢者の家から家へ移動することになりますが，家が点在しているので移動に余計な時間がかかってしまいます。
こうした事情から利益確保が難しいとして，介護事業者は定期巡回･随時対応サービスへの参入を躊躇しているようです。
それだけではなく，夜間の急な呼び出しにも対応する人員の確保ができないなどの事情も加わっているようです。
こうしたことは実施以前から指摘されていましたが，現実となったといえます。
山梨県では介護事業者への説明会などを実施して県内におけるサービスの地域間格差解消を目指すとしています。
早期に，山梨県内の全ての市町村で定期巡回･随時対応サービスが提供できることを望みます。
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