財産管理委任契約が引き起こすリスクを回避する方策

 前回, 財産管理委任契約の落とし穴についてお話をしました。今回はそれを回避する方法を考えてみたいと思います。


(1)財産管理監督人を別途決めておく


 加齢とともに監督者としての能力が低下する恐れがあるのですから,その能力を他の人の支援を受けて補えばよいということになります。
 契約関係者は3人となります。高齢者(委任者),財産管理支援者(受任者),受任者を監督する人(財産管理監督人)の三者の契約を結びます。


(2)財産管理委任契約の内容を工夫する


 全ての財産管理を委任せずに必要な項目だけを選定して委任をすることにより被害が大きくならないように工夫をします。医療費の支払いのみを委任するなどの工夫です。
 また,一定額以上の金額の移動をともなう財産管理については(1)の財産管理監督人の同意を必要とするとか不動産の売買は禁止するとかの制限を契約に加えておくこともよいでしょう。
 包括的な委任の契約は避けた方が賢明です。


(3)任意後見契約とセットで財産管理委任契約を結ぶ


 いわゆる移行型の契約です。私が所属する一般社団法人コスモス成年後見サポートセンターでは財産管理委任契約を結ぶ場合には公正証書で任意後見契約とセットで結ぶことを推奨しています。

 

 次回,(3)の移行型の契約の持つ財産管理委任契約のリスク回避の意味をもう少し考えてみたいと思います。

 

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