子供がいない夫婦の相続問題は遺言で解決

 「相続税改正によって自分にも相続税が課税されるかもしれないという心配」という前回の記事で,とくに都会地において不動産を持っている方はその不動産の評価額がどのくらいなのかは知っていた方がよいと言うことをお話ししました。

 

 子供のいないご夫婦の場合は不動産の評価額もさることながらその不動産の内容にも注意が必要です。不動産が現在ご夫婦が住んでいる住宅だけであり,それ以外にはこれといった財産がない場合は要注意です。

 

 子供のいない夫婦において片方の配偶者が死亡した場合で遺言が残されていないときには法定相続人は「残された配偶者と死亡した配偶者の両親(あるいは直系尊属)」か「残された配偶者と死亡した配偶者の兄弟姉妹(あるいは代襲相続人)」かのいずれかの組み合わせになります。

 

 子供のいないご夫婦で高齢になってから亡くなると,両親はすでに亡く兄弟姉妹の一部はやはりすでに亡くなっていて甥・姪の世代に移っていても不思議ではありません。肉親ではない残された配偶者に対して死亡した配偶者の兄弟,ましてや甥・姪は遠慮がありません。遺産分割の要求を平気でしてくることが十分予想されます。

 

 遺産分割の要求を兄弟またはその代襲相続人である甥・姪から受けたとき,遺産のほとんどが現在残された配偶者がげんに住んでいる自宅だけであればその自宅を売却して遺産分割に応じなければならなくなります。甥・姪までが相続人に名を連ねるということになりますと法定相続人の数も増え,話し合いでの解決をいっそう難しくします

 

 子供のないご夫婦でその財産の主たるものが現在住んでいる自宅だけだという環境にあれば遺産分割時に自宅を売却しなけらばならない事態が想定されます。自宅売却という不本意の相続を避けるためには遺言をお互いに残すことが最善の策になります。

 

 共同遺言は認められませんので,夫は夫自身で遺言書を作成し,妻は妻自身で別の遺言書を各々作成して下さい。くれぐれも一つの遺言を連名で作成しないでください。

 

       成年後見・任意後見はこちらの業務内容  

            055-251-3962    090-2164-7028

                                         困り事や相続・遺言のご相談,許認可のお問い合わせは

                                                                                   ⇒ 神宮司行政書士事務所

 

 

コメント: 0