遺言を残す場合の受遺者の指定の仕方に付いた”あだ名”

 遺言で相続財産を残す相手の指定の仕方に対してあだ名が付いているものがあります。「跡継ぎ遺贈」「裾分遺贈」「補充遺贈」というのがよく取り上げられます。どうでしょう,あだ名からどんな内容のものか想像がつきますか。

 

(1)跡継ぎ遺贈
 たとえば,子供のいない夫婦で夫が「現在夫婦で住んでいる自宅である住宅とその敷地を妻に遺贈する。そして,妻が受贈し,その後に妻が死亡したときには妻に遺贈した自宅は夫の両親のものとする。」という趣旨の遺言のことを言います。順次財産を受け継ぐ者を指定する遺言です。わかりやすい例では「妻に全財産を遺贈し,妻亡き後は長男に,さらに長男亡き後は孫に譲る」というのも跡継ぎ遺贈です。

 

 民法に定めがなく,このような遺贈が有効であるかについては判断が分かれているようです。

 

 というのは,夫から遺贈された自宅は妻の所有物ですから本来妻がその財産を自分の死後どう処分するかを決めることができるというのが原則です。その原則に反するとともに,相続人関係が複雑になります。この遺言の方式を認めた裁判例もあるようです。

 

 「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」を利用するのも一方法となります。

 

(2)裾分遺贈
 たとえば,「ある人Aに株式5万株を与える。そのかわりにAは遺言者の子が成人したときには現金で1000万円を与えよ」というような遺言のことです。
 負担付贈与とも呼ばれ,有効です。

 

(3)補充遺贈
 たとえば,「Aに甲土地を与える。Aが遺言者より先に死亡したとき,あるいは遺贈を断った放棄したときには,Bに甲土地を与える。」という遺言です。


 このような遺贈も有効です。実務上もよくおこなわれています

 

 いかがでしょうか。このあだ名,名は体を表していたでしょか

 

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