請求するのを忘れた生命保険はもらえなくなるのでしょうか。

 請求するのを忘れて長い年月がたっと保険の給付金はもらえなくなることがあります。しかし,保険会社では場合によっては支払いをおこなうこともありますのでご加入の保険会社に問い合わせてみて下さい。

 

 少し細かく見ておきます。
(1)保険給付金の消滅時効の期間
 平成22年3月31日以前に成立した保険契約については2年が消滅時効期間です(改正前商法)。4月1日以降の契約については3年です(保険法)。法律の規定とは別に保険約款に時効の定めがあるのが普通です。平成22年3月31日以前の契約の生命保険約款もその後のものも3年としているのが普通です。したがって,消滅時効の期間は契約成立時期にかかわらず実質的に3年ということになります。

 

(2)消滅時効の起算点
 保険支払いの対象となる事故が起きた日の翌日から3年間という計算をおこなうというのが多数説のようです。約款でも事故の日の翌日から起算すると定められています。したがって,事故の日の翌日から消滅時効の期間の計算がおこなわれます。

 

(3)保険会社の時効援用
 保険会社が時効期間を過ぎているから保険給付金を支払わないと主張するかどうかは保険会社の考え次第です。時効期間は過ぎていても支払いをおこなうことは保険会社の自由です。生命保険会社が時効の利益を放棄することもできるわけです。

 

 保険金支払の原因となる事実(たとえば死亡したこと)がはっきりしているものは時効期間が過ぎていても支払いがおこなわれているようです。

 

 入院事実を証明するには入院先の入院証明書が必要になりますが,カルテの法定保存期間は5年ですのでそれを過ぎてしまうと医師に入院証明書を発行してもらえなくなることもありますので注意が必要です。

 

 ともかく,保険支払いの原因となる死亡,入院などが起きたら(または,知ったら)すぐに保険会社に知らせて下さい。事故発生から3年以上たってしまっていてもあきらめずに保険会社に請求してみて下さい。

 

 ここでは生命保険についてお話をしていますが,損害保険についても事情は大きくは変わりません
 

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