老人ホームに入所すると相続税の「小規模宅地の特例(8割減特例)」が使えなくなるか。

 相続税の基礎控除が引き下げられることになり「小規模宅地の特例(8割減特例)」が注目されています。介護を受けるためやむなく老人ホームに入所したときにもこの特例は適用になるかも注目されます。

 

 現在の相続税の基礎控除
 5000万円+1000万円×法定相続人
となっています。妻と子供二人が相続人であれば8000万円以下の遺産の相続税は非課税となります。


 改正される基礎控除
 3000万円+600万円×法定相続人
となります。先の妻と子供二人の例でいえば4800万円以下の財産であれば相続税は課税されません。実施は二年後(平成27年1月1日)からです。

 

 小規模宅地の特例というのは,相続で居住用自宅土地・事業用土地を売らなくてもすむようにその評価を最大8割の評価を減らしてくれるものです。その土地の値段の2割の評価で税金の計算をしてよいということです。

 

 これまでも本人が介護のために自宅を出て老人ホームに入居した場合もこの「小規模宅地の特例(8割減特例)」を受けることはできました。ただ,その条件がかなり制限されたものになっていました。

 

 以下の条件をすべて満たしたときにこの「小規模宅地の特例(8割減特例)」が受けられました。
 1.介護が必要であるため、入所すること
 2.いつ帰ってきても生活できるように、建物が維持管理されていること
 3.その建物を賃貸したり、他の用途に使っていないこと
 4.老人のホームの所有権や終身利用権を取得していないこと

 

 来年(平成26年)の1月1日から次の条件を満たせば「小規模宅地の特例(8割減特例)」が認められるようになりました。条件が緩和され2番と4番の条件がなくなります。
 1.介護が必要であるため、入所すること
 2.その建物を賃貸したり、他の用途に使っていないこと

 

 この条件緩和によって終身利用権付き老人ホームであっても「小規模宅地の特例(8割減特例)」が受けられるようになります

 

 要介護認定又は要支援認定を受けていた被相続人が次の住居又は施設に入居又は入所していたことと政令でされているようです。

 1.認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居(老人福祉法第5条の2第6項
 2.養護老人ホーム(老人福祉法第20条の2)
 3.特別養護老人ホーム(老人福祉法第20条の5)
 4.軽費老人ホーム(老人福祉法第20条の6)
 5.有料老人ホーム(老人福祉法第29条第1項)
 6.介護老人保健施設(介護保険法第8条第27項)
 7.サービス付き高齢者向け住宅(上記の有料老人ホームを除く、高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条第1項)
 8.障害者支援施設又は共同生活援助を行う住居(障害者総合支援法第5条第11項、15項)

 

 注:税法の詳細の適用につきましては税務署,税理士などにお問い合わせください。

 

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