「若年期認知症を支えるために」あした葉の会主催講演会

 平成25年10月26日(土),公益社団法人「認知症の人と家族の会」の山梨県支部が,石和「糸柳」で,2013年度世界アルツハイマーデー記念講演会を,開催しました。山梨県支部は「あした葉の会」という愛称で呼ばれています。

 

 山口大学大学院 医学系研究科 神経内科学 准教授 である川井元晴先生による「若年期認知症を支えるために」と題する講演がおこなわれました。私も聴講をさせていただきました。

 

 講演は,若年性認知症患者数の現況から,具体的な処方薬の話にもおよび,若年性認知症の諸問題を概説したものとなっていました。高齢者の認知症については,いろいろな機会を通じて学ぶ機会は多いのですが,若年性の認知症については触れる機会が少なかったので勉強になりました。

 

 若年期と老年期の認知症が持つ特徴の比較をお話になっていました。ほかにも有益な話が多々あったのですが,割愛します。

 

(1)性別
 若年期に発症する認知症は男性に多く,老年期の認知症は女性が多い。


(2)患者の介護者
 若年期認知症患者の介護者は,配偶者が主体になっている。老年期の介護者は配偶者も多いが,子供,子供の配偶者である嫁など患者の次世代の者が特徴。


(3)認知症のタイプ
両者ともアルツハイマー型認知症が最多。若年期患者では血管性認知症,前頭側頭葉型認知症などが老年期患者に比べて多く,レビ-小体型認知症は老年期患者に多い。


(4)認知症症状の悪化の進行は,若年期の患者ほど早い。老年期においては,その症状はゆっくりと悪化する。


(5)経済的問題
収入の主力となる働き盛りの男性に発症が多い若年期認知症は,そのまま家庭の収入不安に直結する。老人機の認知症においては悪徳商法などの被害を受ける可能性が高くなる。


(6)認知症に対する社会的理解
若年期の認知症については理解は低い。一方,老年期の認知症についてはさまざまな機会を通じて周知され,社会的な理解が進んできている。


(7)介護保険の利用
介護保険は,40歳以上の若年期でも利用は可能であるが,利用者のほとんどが老年期の者であることからなじめずに,利用が進んでいない。

 

 若年性アルツハイマー型認知症について渡辺謙主演で映画化された『明日の記憶』が分かり易いかもしれません。荻原浩の小説を2006年に映画化したものです。


 ウィキペディアによる「あらすじ」を紹介しておきます。

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家庭も省みず仕事に生きる49歳、広告代理店のやり手営業マン、佐伯雅行。仕事においては大きなクライアントとの契約が決まり、プライベートにおいては娘の結婚が決まる、と順風満帆に見えた彼を突如、物忘れが激しくなる、めまい、幻覚といった不可解な体調不良が襲う。

 

妻・枝実子に促され、しぶしぶ忙しい仕事の合間を縫って病院を訪れ診察を受けた結果、医師から若年性アルツハイマー病という診断を下される。知らないうちに自分の体内で起こっていた受け止めがたい現実に直面した彼は、錯乱し自暴自棄になり、病院の屋上から飛び降りようとするが、医師の必死の説得により何とか思いとどまる。そして屋上から階下へ戻る階段の途中で座り込み、枝実子と話し合い、二人は涙を流しながらも病気と向き合う覚悟を決める

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 認知症で悩んでいる方,またその家族の方は一人で問題を抱え込まないで,公益社団法人「認知症の人と家族の会」に電話をしてみてください。悩みを分かち合い,情報交換を通じて明日を生きる力が湧くかもしれません。

 山梨県支部(あした葉の会)の相談電話番号は055-227-6040
           火・木 午前9時から午後3時まで。

 

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