親族,血族,姻族,4親等内の親族

 法定後見の申立人になれるのは,本人,配偶者,4親等内の親族または検察官ですが,時々混乱してしまいます。もう一度,4親等内の親族とはなにかについて整理をしておきたいと思います。

 

(1)血族,直系血族,傍系血族,自然血族,法定血族
 血族とは,同じ先祖をもつ血縁関係にある者のことをいいます。

 

 直系血族とは,祖父母・父母・子・孫のように,ある者を中心にして世代が上下に直線的に連なる血族をいいます。

 

 傍系血族とは,兄弟姉妹・おじおば・いとこのようにある者と共同の始祖を介して連なる血族をいいます。

 

 法定血族とは,生理的に血のつながりはないが,養子縁組によって,養親の生理的な血のつながりのある自然血族と養子との間に,生じる血族関係をいいます。

 

(2)姻族
 姻族とは,「配偶者の血族」及び「自分の血族の配偶者」のことをいいます。たとえば,「妻の父母」とか「自分の兄弟の妻」などのことです。

 

 「配偶者の血族」の配偶者は,姻族ではありません。たとえば,「義理の妹」の夫は,姻族ではないことになります。

 

 また,「配偶者の両親」は,自分の姻族ではありますが,自分の両親とは姻族関係にはありません

 

(3)親族,親等の計算
 親族とは,6親等内の血族と3親等内の姻族をいいます。

 

 親等の計算は,直系血族は世数により,傍系血族はその者から共同の始祖にさかのぼり,そこから他の者に下るまでの世数によって数えます

 

 たとえば,親は祖先方向へ一つさかのぼりますので1親等となります。

 

 兄弟姉妹は,親へ一つさかのぼり,親から子孫方向へ一つくだりますので合計二つとなります。したがって2親等です。

 

 いとこは,祖先方向に向かって,親へ一つさかのぼり,さらにもうひとつ祖父母にさかのぼります。それで二つ。祖父母からおじ・おばへと子孫方向にひとつくだり,さらにおじ・おばの子へともう一つ下がりますので,合計二つ下がります。結局,祖先方向に二つ上り,子孫方向へ二つ下がりますから合計4つになります。したがっていとこは4親等となります。

 

(4)4親等の親族
 成年後見の申立てができる4親等の親族とは,4親等の血族と3親等の姻族をいいます

 

 血族では,6親等の血族までが親族です。したがって,当然に「4親等の血族」は「4親等内の親族」に当たります。

 

 姻族では,「3親等の姻族」までが親族ですので,「4親等の姻族」は,「4親等内の親族」には当たらないことになります。

 

 [株式会社有斐閣 法律学小辞典第4版補訂版]を参考にしています。

 

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