遺骨は誰のものか(遠野なぎこ,遺骨は家族に渡したくない)

 

私自身の事で言えば…自分の骨は絶対に実の家族には渡して欲しくはない。

絶縁をしてここまで踏ん張って生きて来て、最後の最後に彼女等の手元に行ってしまったら…それこそ死んでも死にきれない。

そんなやりきれない最期を迎えるくらいなら、ビニール袋に包んでゴミ箱に捨てて貰える方がまだマシだと思って生きて来たから。

『婚外契約書』|遠野なぎこオフィシャルブログ「Nagiko Tono Official Blog」Powered by Ameba

 

 遠野なぎこ氏が任意後見契約を元夫と結ぶというのが話題になっています。一度離婚したが,その後元の鞘に収まり現在は同居中。内縁の男女という関係のようです。
再婚の形式をとりたくないので,そのかわりに「任意後見契約」を結ぶと本人は述べています。

 

そこで,今回は任意後見契約の概要と自分の遺骨は死後誰が管理するのかということを考えてみたいと思います。

 

一 任意後見契約

 

1.任意後見契約概要

任意後見制度は,十分な判断能力があるうちに,将来,判断能力が不十分の状態になる場合に備えて,あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に,自身の生活,療養介護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公正証書で結んでおくというものです。

 

契約しておくことで,本人の判断能力が低下した後に,任意後見人が,任意後見契約で決めた事務について,家庭裁判者が選任する「任意後見監督人」の監督のもと本人を代理して契約などをすることによって,本人の意思にしたがった適切な保護・支援をすることが可能になります。
(一般社団法人コスモス成年後見サポートセンター パンフレットから引用)

 

参考:
終活としての任意後見契約
「終活」と「任意後見制度」
超入門「任意後見契約」(1)
超入門「任意後見契約」(2)
超入門「任意後見契約」(3)
超入門「任意後見契約」(4)

 

2.遠野なぎこ氏の場合

本人のブログによると「互いに支え合う“心の絆”に」するために任意後見契約を結ぶつもりだといっています。
具体的には,遠野なぎこ氏の判断能力が不十分になったときには,事実上の夫が遠野なぎこ氏の任意後見人になるという契約。逆に,事実上の夫の判断能力が不十分になったときには,遠野なぎこ氏が事実上の夫の任意後見人になるという契約。二件の任意後見契約を同時に結ぶということになると思います。

遠野なぎこ氏はこの任意後見契約を事実上の夫とお互いに結び合うことによって,結婚していなくても結婚をしているのと変わらない関係にしたいのでしょう。それなら改めて結婚し直せばよいのにと思ってしまいます。事情はわかりませんが,再婚はしたくないようです。

 

二 遺骨

 

1.遺骨は誰のもの

遺骨は祭祀を主宰する人が管理する物という判例があります(平成元年7月18日最高裁判決)。
祭祀(さいし)というのは神様や祖先を祀る(まつる)ことをいいます。ここでは祖先をあがめ,慰めることをいいます。

 

2.祭祀主宰者

祭祀を主宰する人はどのように決めるのでしょうか。

①被相続人の指定
②指定がない場合には慣習
③慣習が明らかでないときは家庭裁判所が指定

①の被相続人の指定が最優先で次に②慣習③家庭裁判所の指定と続きます。

 

3.遠野なぎこ氏の場合

 

(1)祭祀主宰者の指定がない場合

遠野なぎこ氏が祭祀主宰者を指定しないで死亡した場合には,遺骨は慣習に従い法定相続人のいずれかが祭祀を主宰すべきものとなります。
遠野なぎこ氏の慣習による祭祀主宰者は,ブログで紹介する著作『一度も愛してくれなかった母へ,一度も愛せなかった男たちへ』の案内などを見るかぎり母親になるのではないかと思われます。

 

(2)被相続人による祭祀主宰者の指定

親族である法定相続人の手元に自分の遺骨がいってしまうのは,それこそ死んでも死ねきれないと述べています。
そのためには遠野なぎこ氏が祭祀主宰者の指定をしておく必要があります。

 

(3)祭祀主宰者の指定が合った場合の遺骨の管理

遺骨は祭祀主宰者に帰属することになります。ここでは,たぶん内縁の夫が祭祀主宰者の指定を受け,遠野なぎこ氏の遺骨を管理することになるのでしょう。希望どおり,肉親の手元に遺骨が渡らなくてすむjことになります。

 

4.まとめ

事情があり,自分の遺骨を慣習に従えば祭祀主宰者に渡したくないと考えるのであれば,祭祀主宰者を指定しておくことが必要です。

 

長くなってきましたので,祭祀主宰者の指定の方法などは次回といたします。

 

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