渋谷区の同姓パートナーシップ証明にかかる費用はいくら?

 前回,「同性パートナーシップ証明書では、手術に同意できない?」という記事で,後見人の医療同意について考えてみました。
 今回は,渋谷区の同姓パートナーシップ証明を受けるのに必要な費用について考えてみたいとおもいます。

 発行の正式の手順は「渋谷区パートナーシップ証明発行の手引き 」をご覧ください。

1.パートナーシップ合意契約公正証書作成費用

契約書の枚数が4枚として計算します。

公正証書作成手数料     1万1000円
正本又は謄本の作成手数料    1000円(250円×4枚)

合計 1万2000円

2.任意後見契約公正証書作成費用

 任意後見契約の枚数が10枚として計算します。
 また,この契約は同性パートナー同士がお互いに相手の任意後見候補者となる契約を結びますので,二つの契約になります。したがって費用は二人分必要になります。

公正証書作成手数料     1万2500円(11000+250×6枚)
法務局への登記印紙代      2600円
登記嘱託手数料         1400円
書留郵便料          約 540円
正本又は謄本の作成手数料    7500円(250×10枚×3部)

合計   2万4540円
二人分  4万9080円

3.その他添付書類の費用

戸籍謄本             900円(450円×2人)
住民票              600円(300円×2人)
印鑑登録証明書          600円(300円×2人)
パートナーシップ証明書発行手数料 300円

合計  2400円

4.総費用

(1)原則手続の費用

所要費用は6万3480円となります
(1万2000円+4万9080円+2400円)

(2)特例扱いに該当する場合の費用

 特例扱いに該当する場合には,任意後見契約公正証書の提出は必要ありません。
 したがって,費用はパートナーシップ合意契約公正証書作成費用とその他添付書類の費用のみとなります。

所要費用は1万4400円となります。
(1万2000円+2400円)

特別扱いが適用される条件は

特例適用 次の①~④に該当する場合には、任意後見契約に係る公正証書による確認に代えて、 次の合意契約公正証書を確認し、パートナーシップであることを証明することが できるものとしています。
① 相手方当事者以外の者を任意後見受任者とする任意後見契約を締結し、又は締 結しようとしており、相手方当事者がこれに合意しているとき。
② 性別の取扱いの変更の審判を受ける前の性同一性障害者で、性別の取扱いの変 更の審判を受けた後、婚姻することを両当事者間で合意しているとき。
③ 生活又は財産の形成過程であり、任意後見受任者に委託する事務の代理権の範 囲を特定することが困難であるとき。
④ ①~③のほか、区長が合理的な理由があると認めるとき。(例:性同一性障害者で、従前、他方当事者と婚姻していたが、性別の取扱い の変更の審判を受けるため、これを解消しており、性別の取扱いの変更の審判 を受けた後、現在も引続き同居しているとき)

合意契約公正証書
共同生活を営むに当たり、当事者間において、次の事項についての合意契約 が公正証書により交わされていること。 ・両当事者が愛情と信頼に基づく真摯な関係であること。 ・両当事者が同居し、共同生活において互いに責任を持って協力し、及びそ の共同生活に必要な費用を分担する義務を負うこと。 ・前ページの①~④のいずれかに該当すること。 ・当事者の一方の身体能力又は判断能力が低下したときは、相手方当事者は、 当該人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を可能な限り援助し、 当該人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮する こと。 ・当事者間で必要が生じたときは、速やかに任意後見契約に係る公正証書を 作成すること。

5.まとめ

 パートナーシップ証明書を発行してもらうのにはかなりの費用が必要となります。
 原則手続きでは,すくなくとも6万5000円ほどの費用がかかります。
 特例扱いでも1万5000円ほどの出費を覚悟しなければなりません。

パートナーシップ証明書がもたらす具体的な利便はは次のようなものになろうと報じられています。
同性パートナーシップ証明書とは 今までと何が変わる? わかりやすく解説」をご覧ください。

渋谷区が発行するパートナーシップ証明書には、法的拘束力がなく法律上の夫婦にはなれないため、税金の配偶者控除などは受けられない

一方で、住宅ローンや生命保険については、民間企業が認めた場合に限り、パートナーとしてサービスを受けられる。ライフネット生命保険が11月4日から、同性パートナーを生命保険の受取人に指定できるようにしたほか、日本生命も渋谷区の証明書に基づき、同性パートナーを受取人として認める予定だ

KDDIも渋谷区の証明書などを元に、携帯電話サービスなどの家族割引の適用範囲を同性カップルにも適用すると発表NTTドコモも同様に、10月23日から受付を開始した(SoftBankは以前から、住所が同一であれば同性カップルであっても対応していた)。

また、同性カップルのパートナーシップ契約に詳しいアンパサンド法務行政書士事務所の公式サイトは、渋谷区内に職場があるのであれば、家族手当、単身赴任手当、慶弔休暇といった、従業員の家族構成に応じた福利厚生制度について、「異性間の事実婚当事者(内縁配偶者)に対してこのような便益を提供しているにもかかわらず、パートナーシップ証明を受けた同性カップルをこれと同じように扱わないといった対応を取ることは、本条例に違反する可能性」があると記載している。

http://www.huffingtonpost.jp/2015/11/04/lgbt-couple-shibuya-setagaya_n_8475140.html

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