相続財産に土地がある場合には登記以外に届出も必要になることがあります。

1.土地相続における登記制度と届け出制度

(1)不動産登記

 不動産は登記しなければその権利を当事者以外に主張できない。ということをご存じの人は多いと思います。
 たとえば、自分の土地を売ろうとする場合に買い手にこの土地は自分の土地だというにはその土地を自分名義に登記しておく必要があるわけです。(民法177条)
 土地を相続によって取得したときにはその旨を登記する必要が出てきます。
 とはいえ、不動産の登記は必ずしなければいけないわけではなく、登記をしなくても罰せられることはありません。
 登記にはお金がかかるため登記をしない人もいます。相続が何代も続き所有者不明の状況が発生し問題になっています

(2)農地・森林の取得の届け出

 相続した土地が農地・森林であった場合には、登記以外に届け出が必要になります。
 この届け出は義務であり、義務を果たさない場合には罰則があります。
 以下に相続した農地、森林についての届け出についてみていきます。

2.農地相続による届け出

(1)農地法に基づく届け出

 通常、農地を所有するには農業委員会の許可が必要です。(農地法3条1項)
 しかし、例外として相続による農地を取得する場合には届け出るだけで許可は必要ありません。(農地法3条の3)
 相模原市ホームページ:http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/sangyo/nougyo/016037.html

(2)届け出の期限

 法文上は「遅滞なく」農地のある市町村の農業委員会に届け出なければならないとなっていて、いつまでという期限は明示されていません。
 おおむね10ヶ月以内という解釈のようです(平成26年3月31日25経営第3937号 農地法関係事務に係る処理基準について)。市町村のホームページを見ますと、「権利を取得したことを知った時点から10ヶ月以内」となっています。
 相続税の申告期限の10ヶ月以内と平仄を合わせたものではないかとおもいます。
 処理基準:http://www.maff.go.jp/j/kokuji_tuti/tuti/t0000145.html

(3)届け出義務者
①遺産分割協議済み

 遺産分割協議が10ヶ月以内にまとまった場合には遺産分割協議によってその農地を取得した相続人が農地取得の届け出をすることになります。

②遺産分割協議未了

 遺産分割協議が10ヶ月以内にまとまらない場合には相続人全員による届け出が必要になります。
 遺産分割協議が整ったのちに、遺産分割協議によってその農地を取得した相続人が再度届け出をすることになります。

(4)届出義務違反(農地法69条)

 無届けの場合には10万円以下の過料が科せられます。

3.森林相続による届け出

(1)森林法に基づく届け出

 相続した土地が森林である場合には市町村長に届け出なければなりません。(森林法10条の7の2)
 林野庁:http://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/todokede/

(2)届け出の期限

 90日以内に届け出なければなりません。(森林法施行規則7条1項)
 農地法では「遅滞なく」、具体的には10ヶ月以内に届け出ればよかったのですが、森林法ではそれより短期間になっていますので注意が必要です。

(3)届け出義務者
①遺産分割協議済み

 遺産分割協議が90日以内にまとまった場合には遺産分割協議によってその森林を取得した相続人が森林取得の届け出をすることになります。

②遺産分割協議未了

 被相続人の死亡日から90日以内に、法定相続人の共有物として届出が必要です。
 それぞれの方がそれぞれの持分割合について届け出るか、連名で届け出てください。
 また、その後分割協議が整ったときには、分割協議により持分に変更があった場合、その森林の土地の持分を取得した方(所有者となった方)は、分割協議の終了日から90日以内にその旨を届け出てください。

(4)届出義務違反

 無届けの場合には10万円以下の過料が科せられます。(森林法213条)

4.まとめ

 土地を相続してもその登記を必ずしなければいけないと言うことではありません。しかし、その相続した土地が農地・森林の場合には必ず届け出が必要になります。

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