成年後見の申立てを複数人連名でできるか(成年後見等申立人の資格)

1.成年後見等申立て

 判断能力が低下した場合にその人を支援する制度が民法に決められています。

 ①成年後見(単に後見とも)②保佐③補助の三つの制度です。三制度を合わせて成年後見等といっています。

 成年後見制度では、支援を受ける人を成年被後見人、支援する人を成年後見人と呼びます。
 保佐制度では、支援を受ける人を被保佐人、支援する人を保佐人と呼びます。
 補助制度では、補助を受ける人を被補助人、支援する人を補助人と呼びます。
 (また、成年後見人、保佐人、補助人を監督する人をそれぞれ成年後見監督人、保佐監督人、補助監督人と呼びます)

 三制度の区分は、支援を受ける人の判断能力の低下度合いによって決められます。
  *以下では成年後見を単に後見と称します。

2.後見等申立人

 後見等を申立てできる者は法律で決められています。(民法7条、11条、15条)
 本人、配偶者、四親等内の親族、成年後見人等、任意後見人、後見監督人等、市町村長、検察官です。

 主な四親等の親族とは次の人たちです。(民法725条)
 ①親、祖父母、子、孫、ひ孫
 ②兄弟姉妹、甥、姪
 ③おじ、おば、いとこ(いとこの配偶者は親族ではないので注意)
 ④配偶者の親、子、兄弟姉妹

3.連名での申立ての可否

 たとえば兄弟姉妹連名で申立てをしたいという場合があるかもしれません。
 兄弟姉妹は四親等内の親族ですので単独で当然に申立人になれます。
 また、兄弟姉妹全員、あるいはその一部の人が連名で申立てすることも可能となります。(甲府家庭裁判所において確認済)

4.まとめ

 成年後見等の家庭裁判所への審判の申立ては四親等の親族であれば申立てができ、複数人が連名で申し立てることも可能です。
 複数人連名の審判申立てが必要な場合はまれでしょうが、可能です。

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