カテゴリ:2014年10月



相続開始時の法定相続人が相続放棄をすると,法定相続人の範囲が変わってくることがあります。今回は相続放棄と相続人の範囲について考えてみます。 1.法定相続人 本人が亡くなるとその一定の親族の範囲の人が相続人になることはよく知られています。 以下の親族の関係は亡くなった本人(被相続人)を基点にした親族関係の呼称です。...
前回は,言語機能障害者・聴覚障害者と遺言の方式について説明をしてきました。今回は,残された視覚障害者についてです。 (3)目が見えない者(視覚障害者) 視覚障害者は普通遺言のうち,公正証書による遺言方式のみが採用可能です。 ①自筆証書遺言...
1.身体障害と遺言の普通方式 遺言をするには法律に定めた形式に従わないと,その遺言は無効になってしまいます。 身体に障害があるために遺言の方式が限定されてしまうこともでてきます。 遺言の普通方式とは以下の三種類です ①自筆証書遺言(民法968条) ②公正証書遺言(民法969条) ③秘密証書遺言(民法970条)...
1.特別受益 このことについての詳細は,前回の投稿をご覧ください。 そこにおいて,生命保険金が特別受益に該当してもしなくても,弟が父親の相続にあたって遺産分割で受け取るものはゼロであると言うことを説明しました。 前回投稿:「父が死亡して,遺産はゼロ,生命保険金5000万円。相続関係はどうなる。」...
1.検討する前提条件 次の条件で相続の思考実験をしてみようと思います。かなり極端のケースを想定しましたが,実際にもこれに近い状況の相続も充分考えられます。 ①相続人は兄と弟のみ。 ②父が死亡したが,これといった資産はなし。 ③父が契約者であり被保険者でもある生命保険契約があり,受取人は兄。この保険の死亡保険金は5000万円。...