本人が死ななくても受け取れる保険金の受取にはだれ?(高度障害保険金の受取人)

1.高度障害保険金

高度障害保険金は本人が死亡に至らなくても,一定の障害状態になったときに支払われる保険金です。


この保険金を受け取った場合には,その本人が死亡しても死亡保険金の支払いはありません。また,入院給付金などの支払いも高度障害保険金が支払われた後には支払われません。逆に契約者はそれ以後の保険料の支払いをする必要もありません。

 

2.高度障害状態とは

高度障害状態とは、次のいずれかの状態をいいます。

  • 両眼の視力を全く永久に失ったもの
  • 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
  • 中枢神経系、精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
  • 両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの
    ※「約款」に定める高度障害状態は、身体障害者福祉法等に定める障害状態と異なります。
    ※ご契約の保険種類・特約の種類・時期によっては、お取扱いが異なる場合があります。詳細につきましては、「ご契約のしおり・約款」に記載していますので、必ずご確認ください。

3.高度障害保険金の受取人

高度障害保険金は誰が受け取ることになっているのでしょうか。契約時の約款に高度障害保険金の受取人について定められています

 

1 被保険者本人とするもの

被保険者(保険の対象となっている人)が高度障害保険金の受取人となります。つまり,高度障害状態になってしまった本人が受取人です。ほとんどの保険会社の取扱いはこのパターンです。
本人の判断能力が失われているときには,前もって決めておいた代理請求者か成年後見人が実際の手続をおこないます。

 

2 契約者が指定した高度障害保険金の受取人

契約者が指定した人が高度障害保険金の受取人になります。ただし,指定できる受取人の範囲は限定されていると思われますが,確認していません。この取扱いをしている保険会社はわずかだと思われます。
私が調べた範囲ではメットライフアリコが取り扱っているようです。

 

4.課税関係

高度障害保険金の受取人がいずれであっても非課税の扱いです。
以下にその根拠をのせておきます。詳細は税務署,税理士,ご加入保険会社などにご確認下さい。

 

所得税(非課税)

(所得税法基本通達9-20)身体に損害を受けた者以外の者が支払を受ける傷害保険金等
所得税法施行令第30条第1号の規定により非課税とされる「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」は、自己の身体の傷害に基因して支払を受けるものをいうのであるが、その支払を受ける者と身体に傷害を受けた者とが異なる場合であっても、その支払を受ける者がその身体に傷害を受けた者の配偶者若しくは直系血族又は生計を一にするその他の親族であるときは、当該保険金又は給付金についても同号の規定の適用があるものとする。

(所得税法基本通達9-21)高度障害保険金等
疾病により重度障害の状態になったことなどにより、生命保険契約又は損害保険契約に基づき支払を受けるいわゆる高度障害保険金、高度障害給付金、入院費給付金等は、所得税法施行令第30条第1号に掲げる「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」に該当するものとする。

 

贈与税(非課税)

(相続税法第5条)贈与により取得したものとみなす場合
生命保険契約の保険事故(傷害、疾病その他これらに類する保険事故で死亡を伴わないものを除く。)又は損害保険契約の保障事故(偶然な事故に基因する保険事故で死亡を伴うものに限る。)が発生した場合において、これらの契約に係る保険料の全部又は一部が保険金受取人以外の者によつて負担されたものであるときは、これらの保険事故が発生した時において、保険金受取人が、その取得した保険金(当該損害保険契約の保険金については、政令で定めるものに限る。)のうち当該保険金受取人以外の者が負担した保険料の金額のこれらの契約に係る保険料でこれらの保険事故が発生した時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分を当該保障料を負担した者から贈与により取得したものとみなす。

 

5.まとめ

高度障害保険金の受取人が高度障害者自身であっても,その配偶者若しくは直系血族又は生計を一にするその他の親族であっても,所得税,贈与税ともに税金を支払う必要はありません。

 

違いは高度障害保険金は受取人の固有の財産になるという点です。もう一点は,高度障害受取人が被保険者であった場合には,死亡後に相続税の課税対象になるというところです。このことについては,またの機会に書きたいと思います。

 

参考(保険金の受取に関する当ブログの他の投稿記事)

1 相続放棄をしたとき保険金などを受け取って使ってもかまわないか1
2.相続放棄をしたとき保険金などを受け取って使ってもかまわないか2
3.相続放棄をしたとき保険金などを受け取って使ってもかまわないか3
2 認知症患者の各種保険給付金などの受取方法
3 死なないでも死亡保険金の受取ができる

 

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