近隣で続いた葬儀におもう(1)相続が争族にも

 天候が定まらないのが体力が弱った者にはよくないのか,同じ集落に住む療養中の高齢者が続けてなくなりました。近隣のつきあいがあり,私の葬儀への参列も続けざまになりました。
 おなじ組内のひとはさらに大変で,葬儀の手伝いに続けて参加しなければなりません。昔と違い葬儀を運営する業者にお願いする遺族が増え,自宅で葬式を行うことはまれになりました。それにともない組内の者がお手伝いをする部分はかなり減ってはいますが,それでも仕事のある人は仕事を休まなければなりません。

 

 葬儀に参列し,遺影を眺め,展示された遺品を見,遺族の方と挨拶をしながら,仕事柄どうしても相続のことにおもいがいきます。

 

 財産をたくさん残しているのなら遺産分割の協議をしなければなりません。相続税の特例を使って税金を低く抑えるのには,遺産分割の協議を10か月以内にすませ,相続税の申告をする必要があります。
 相続人がお互いに遠方に住んでいる。互いに会社勤めであるなど事情を抱えている場合には10か月はあっと言う間です。そうでなくとも葬儀の前後は気ぜわしくもあります。

 

 財産がなければ悩みがないかといえばそうともいえません。借金を抱えていないかを調べなければなりません。もし,借金まみれであれば相続の放棄や限定承認の手続きを3か月以内にしなければなりません。

 

 財産があればあったで,なければないで心休まることがありません。


 では,自筆の遺言があるから安心かといいますと,これも安心とばかりいえません。「遺言がほんとうの物かどうか」がかえって争いの種になってしまうこともあります。

 

 本来亡くなった親の冥福を祈って喪に服さなければならないのに,悲しんでいる余裕もなくなります。
 
 普通,相続が起きた時に想定されるトラブルの例をあれこれ挙げてみました。しかし,近隣のご家庭ではみな円満であり,相続に関してのもめ事を耳にすることはあまりありません。
 その理由について次回は考えてみたいとおもいます。
     次回に続く

 

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