ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの病気と成年後見制度の利用

 

アメリカでブーム アメリカを中心に氷水を被る「アイス・バケツ・チャレンジ」がブームになっている。 ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者への募金集めに始めた行為がネットで拡散した。 前の人から指名を受けた人は、24時間以内に「氷水をかぶる」 or 「ALS協会に寄付をする」 or 「その両方」という選択をしなければなりません。

氷水かぶりで難病支援「アイス・バケツ」アメリカ政府は禁止 : 世界のニュース Nile_Amen

 

最近,日本でもこの氷水かぶりが話題になっています。難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)患者への募金集めが目的だそうです。 成年後見制度はこうした病気に対しても適用が可能であるのかを考えていきたいと思います。

 
1.成年後見制度の適用条件

精神上の障害によって判断能力が不十分となった人を支援する制度が成年後見制度です。 身体障害があるだけの人は成年後見制度の対象ではありません

 
2.精神上の障害とは

認知症,精神障害,知的障害などが考えられます。

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律では,「統合失調症,精神作用物質による急性中毒又はその依存症,知的障害,精神病質その他の精神疾患を有する者」を精神障害者としています。

 
3.判断能力が不十分の状態であること

たとえば,認知症であっても判断能力が維持されている状態であれば,成年後見制度の適用はありません。 判断能力が不十分の状態として3つに分類されています。以下の判断能力の目安は一般社団法人コスモス成年後見サポートセンターのパンフレットによりました。

 
(1)後見

日常的に必要な買い物も自分ではできない状態の人

 
(2)保佐

日常的に必要な買い物くらいは単独でできるが,自動車の売買や自宅の増改築などは自分ではできない状態の人

 
(3)補助

不動産の売買や自宅の増改築などは自分でもできるかもしれないが,本人のためには,誰かに代わってやってもらった方がいい程度の人

 
4.判断がむずかしい精神上の障害の例
 
(1)ALS(筋萎縮性側索硬化症)

この病気は判断能力の低下をともなわないと言うのが従来の医学的通説です。この通説に従えば,精神上の障害はなく,また,判断能力が不十分であることもないということになります。したがって,成年後見制度の適用はないということになります。元衆議院議員で徳州会病院グループの創始者である徳田虎雄氏をイメージしていただくと分かり易いかもしれません。

 

ところが,最近の研究で,ALS(筋萎縮性側索硬化症)において認知障害がまれではあるが認められるということが,わかってきました。もし,認知障害が起きていれば,成年後見制度の対象になりなりえます。(http://www.als.gr.jp/staff/document/care/care_24.html

 
(2)高次機能障害

交通自己などで頭部に外傷・くも膜下出血などの損傷をこうむり,その後遺症として現れます。記憶能力の障害、集中力や考える力の障害、行動の異常、言葉の障害が生じることがあります。(http://kotobank.jp/word/%E9%AB%98%E6%AC%A1%E8%84%B3%E6%A9%9F%E8%83%BD%E9%9A%9C%E5%AE%B3

 

現在では,器質的精神障害として精神障害に含まれています。したがって,高次機能障害によって,判断能力が不十分になれば成年後見制度の適用対象となります。

 
5.まとめ

精神的な障害によって判断能力が不十分になったときには,成年後見制度の利用を検討することができます。

 

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